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新商品の案内を、どのお客様へ送ろう。
先月初めて買ってくれた人。何度も注文してくれている人。以前はよく買ってくれていたけれど、最近は注文がない人。
同じ文章で全員に知らせる? それとも購入金額が大きい順に選ぶ?
そこで、購入履歴を三つの角度から見てみよう。RFM分析は、最後の購入がいつか、どれくらい買っているか、いくら買っているかを組み合わせて、案内を考えるための方法です。金額だけを並べていた表へ、時間と回数が加わります。
あ、そうか。たくさん買ってくれた人にも、最近のお買い物と、ずっと前のお買い物があるんだね。
そこが見えると、次の案内を考える問いも変わります。初めて買った人には商品の使い方が役立つかもしれない。何度も買った人には新しい柄の案内が合うかもしれない。数字から候補を考え、実際の反応を確かめていく話です。
この記事では、自社のネットショップを担当する人へ、仮の雑貨店の例で整理します。お客様の気持ちや、その後の売上を作った成功談は使いません。例の注文も金額も、計算と判断を説明するために置いたものです。
学び直す本としては、『図解即戦力 EC担当者の実務と知識がこれ1冊でしっかりわかる教科書[改訂2版]』を紹介します。公開目次にRFM分析、メールのタイミング、配信の分け方があり、分析の後の案内まで考える資料としてつながります。
最後にいつ、何回、いくら?三つを横に置くと話が変わる
RはRecency、FはFrequency、MはMonetaryです。Shopifyの解説では、最終購入日、購入頻度、購入金額の三つを使う方法として案内しています。英語を丸暗記するより、「最近・回数・金額」と表の列を読むところから始めよう。
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例えば、架空の雑貨店に、お客様XとYがいるとします。二人とも、ある集計期間の購入金額は1万2,000円。でも、Xは一度にまとめて注文し、Yは四回に分けて注文していた。後で出す三人の表とは別の、小さな比較例です。
金額だけを見れば同じです。回数も置くと、買い方に違いが見えてきます。さらに最後の注文を見て、Xは180日前、Yは7日前だったと分かったら?
「同じ1万2,000円のお客様へ、同じ案内でいいかな」という問いを、もう少し細かく考えられます。Yには直近の商品と関係する案内が合うかもしれない。Xには、その一回が何の注文だったか確かめたい。まず履歴へ戻るきっかけになります。
ここで気をつけたいのは、数字が見せてくれる範囲です。Xが最近買っていない理由は、まだ分かりません。長く使える物を買ったのか、贈り物だったのか、今は必要がないのか。購入履歴だけから、「もう店を嫌いになった」と気持ちを決めないでね。
同じように、Yが四回注文したことから、どんな商品でも欲しいとは言えません。好きな柄を買ったのか、消耗品を補充したのか、その中身も後で確かめます。RFMは案内を考える入口で、心を読める仕組みではないんです。
Rを「最後の購入から何日たったか」で記録するなら、日数が少ないほど最近です。一方、最近買った人へ高い点を付ける方式なら、点数は大きいほど最近になります。日数と点数で向きが違う。ここ、表の見出しに書いておこう。
「Rが大きい人」とだけ書くと、180日前の人なのか、高い評価の人なのか迷ってしまいます。「最終注文からの日数」「Rスコア」と別に名前を付ければ、次の担当者も読みやすいよ。
また、五段階などの点数を使う場合も、どの境目で分けたかを添えます。今日の記事は、まず生の履歴を読む準備です。三つの数字を出した瞬間に、特定のサービスの自動分類が完成した、という意味にはしません。
集計する前に、日付と一回の意味をそろえよう
表を作るときに最初に決めたいのは、いつの状態を見るかです。毎回「今日」で計算すると、見る日が変わるたびに経過日数も変わります。比較するなら、基準日を一つ決めて残しておこう。
この例では2026年10月1日を基準日、同年4月1日から9月30日までを購入回数と購入金額の集計期間にします。これは説明用の条件で、どの店にも最適な半年間という指定ではありません。
次は「一回」をそろえます。注文明細が、商品ごとに別の行になっていることがあります。一つの注文でカップと布巾を買ったら二行。でも、今回の例で数えたいのは注文の回数なので、同じ注文番号の二行は一回です。
あっ、行数を数えればいいんだ、で進めないところだね!
一方、来店回数を知りたいなら、注文回数とは別の材料が必要です。ネットショップの注文表を見ているのに、いつの間にか実店舗への来店回数として説明しないようにします。
金額も、どこまで含むかを書きます。この仮の例は、キャンセルを除いた商品代金の集計とし、送料は入れません。税込か税抜か、返品した商品をどう扱うかは、使うデータの仕様を確認して決めます。この記事の例と実際の管理画面の金額を、そのまま同じだと思わないでください。
元の注文表から出発するなら、顧客を識別するID、注文番号、注文日、金額が必要になります。集計用の表は顧客ごとに一行にして、基準日、最終注文日、集計期間の注文回数、同じ期間の購入金額を並べる。ここまでで、何を比べる表かがはっきりします。
顧客IDが空欄の注文は、誰の履歴か確かめられません。名前が似ているから同じ人だろう、と推測でまとめると、別の人の注文を一緒にしてしまう可能性があります。分からない分は別に残し、管理方法を確認する順にしよう。
最終注文日についても、集計期間の中で探したのか、手元にある全期間の履歴から探したのかを書きます。半年分しか持っていなければ、半年より前の最後の注文日は、その表からは分かりません。空欄を「一度も買っていない」と読み替えないでね。
入力に時間がかかりそうなら、いきなり全員を採点するより、まず仮の数件で集計条件を確かめよう。説明用に手で数えた注文回数と、集計した回数が一致するかを見る。実データを使うときは、元の記録を保ち、確認用の集計を別に作ります。
期間や送料の条件が違う表を比べても、案内を変える理由は見つけにくい。最初に同じものを数える。このひと手間があると、後で数字の意味を説明しやすくなります。
仮の三人で考えよう。初回の人も、久しぶりの人も見える
では、条件をそろえたところで、架空のお客様三人を見てみよう。基準日は10月1日、FとMは4月から9月の半年間です。Rは基準日から最後の注文までの経過日数として示します。
| 架空のお客様 | 最終注文からの日数R | 期間内の注文回数F | 期間内の商品代金M |
|---|---|---|---|
| A | 7日 | 1回 | 3,000円 |
| B | 7日 | 6回 | 18,000円 |
| C | 120日 | 4回 | 12,000円 |
この表は本文で作った練習用の数値です。実在のお客様、業界平均、特定ツールのスコア基準ではありません。
AとBは、最後の注文から同じ7日。でも、回数は一回と六回です。Aへ初回購入後の使い方を案内するなら、買った商品に対応した内容が候補になります。Bへ送るなら、同じ基本説明を何度も送る前に、これまで何を買ったか確かめたいね。
例えばAが初めて布巾を買った、という仮の条件を追加します。その商品の表示や説明書で確認できる洗い方を案内する。初回の人に、お店を覚えてほしいからと次の商品をいくつも並べる前に、手元の商品で困っていないか考える提案です。
Bは六回買ったけれど、全て布巾だったとは限りません。商品履歴を見て、柄違いを選んでいたなら、実際に販売する新しい柄の情報が候補になります。複数ジャンルの買い物なら、一つの好みへ決めつけずに選択できる案内にする。追加の事実で、提案も変えます。
Cは半年間に四回買っていますが、最後の注文から120日です。「最近来ていない」だけを見ると、以前の購入が見えにくい。でもFとMを横に置けば、期間内に複数回のお買い物があったことも分かります。
ただし、120日という日数だけで、休眠の理由や再購入の時期は決まりません。日用品と、年に一度選ぶ贈り物では、買う間隔の読み方が違います。商品の種類、過去の注文間隔、店の季節商品も確かめて、案内の候補を考えよう。
ここで三人を、誰が大切なお客様かの順位にする必要はありません。この記事の目的は、三人へ何を知らせるかを考えることです。Aには初回の使い方、Bには購入履歴に関連する新しい情報、Cには前の注文とつながる近況や商品情報。その候補を、実際に用意できる内容へ落とします。
「初回だから何も送らない」「金額が小さいから後回し」だけでは、始まったばかりの関係が表から消えてしまいます。Fが一回だと分かったら、次は一回買った後に何を知りたいか。小さな数字にも、次に考えることがあるんだね。
全員へクーポン?案内の中身を一つ変えて、反応を確かめよう
分析が終わると、すぐ割引を付けたくなるかもしれません。でも、三人の履歴が違ったなら、知りたい情報も違う可能性があります。最初の候補を、クーポンだけに絞らず考えてみよう。
例えば、A向けの案内は、購入した商品の使い方へたどり着ける短い文章にする。B向けは、以前の注文と関係する新しい商品を一つ見せる。C向けは、お店で何が変わったかを簡潔に知らせる。この三つは、さっきの仮の履歴から作った提案で、必ず売れる施策という意味ではありません。
案内を考える前に、送ってよい宛先かを確認します。購入者リストがあることと、販売促進のメールを配信できることは別に確かめたい条件です。自社の取得目的、配信への同意、現在の購読状況、停止方法や運用ルールを担当者と確認して進めてください。
Shopifyの顧客レポートにもメールの購読状況の項目があります。履歴を分析できたから全員へ送る、で飛ばさないこと。この記事は配信の代行や、個別の法律判断をするものではなく、案内を準備する考え方です。
担当者同士のメモには、「Aは商品説明の利用を見たい」「Bは新しい柄への関心を見たい」のように、確かめたい反応を書いておきます。リンクを開いてもらうことなのか、再注文してもらうことなのかで、読む数字も変わるからです。
仮に20人へ届けた案内から二人が注文したら、二人を20人で割って10%です。これは計算例です。別の案内では五人中一人だったとすると20%ですが、率の大小だけで後者の文章が優れているとは決まりません。人数も、対象の購入履歴も、送った日も違う可能性があるよね。
だから、結果のメモには対象人数と注文人数も残します。注文に結び付かなかった場合も、商品を見たのか、配信停止が増えたのか、何を確かめられたかを振り返る。売上がゼロだったという一つの数字へ、全部を押し込めないようにします。
また、購入があったとしても、その案内だけで買ったかまでは、集計方法によって分からないことがあります。別の告知や店頭で商品を見ていたかもしれません。リンクの反応と注文をどう結び付けたか、分かる範囲を記録します。
一度の結果で分類を永久に固定しないことも大事です。Cがまた買ってくれたら、最終注文からの日数は変わります。次の案内では新しい履歴へ更新し、その時の状態を見よう。お客様も、商品の必要なタイミングも、動いています。
本で学ぶなら、RFMの先にある配信まで目次をつなげてみて
今回紹介した『図解即戦力 EC担当者の実務と知識がこれ1冊でしっかりわかる教科書[改訂2版]』は、株式会社これからが著し、技術評論社から2024年9月に発売された書籍です。ISBNは9784297143695。旧版や別の商品と取り違えないよう、版と番号を一緒に確かめます。
公開目次の第8章には、顧客の理解、会員ランクとRFM分析、メール配信のタイミング、セグメントメールとステップメールが並んでいます。数値を出すところから、相手に合う案内を考えるところへ、読む目的をつなげやすい構成です。
ただし、書籍の全本文は確認していません。この記事の三人の表や期間の決め方を、本に載っている例として紹介しているわけではありません。公開された紹介と目次で関連を確かめ、本文の例は別に作りました。
本を開く目的は、例えば「一回買った人と、何度も買った人への案内を分けるには」と一つ置いておくと考えやすいよ。その疑問を持って、RFM分析と配信の項目を読んでみる。読んだ内容と、自分のお店で使えるデータを照らし合わせます。
なお、Shopifyの現行ヘルプは、自社ストアのデータに基づく五段階のスコアと11のグループを説明しています。個々のお客様のスコアは管理画面に表示されないとも案内しています。今日の生の数字の表が、サービスの自動分類画面と同じものだと思わないでね。
本の刊行時と、今の管理画面も、同じとは限りません。ツールを使う場合はそのサービスの現行ヘルプで、集計範囲や表示項目を確認してください。無料で使える、どのプランでも同じ、といった条件はこの記事では確認していません。
今、注文の表を前にして手が止まっているなら、まず基準日と集計期間を書こう。その後、顧客ごとの最後の注文、回数、金額をそろえる。いきなり全ての人へ案内を作るのが難しければ、「初回購入後の使い方を知らせたい人」から一つ考えてみます。担当者へのメモも、「この商品を初めて買った人へ、使い方ページを案内したい」の一行で始められるよ。
最初の「金額順に送ればいい?」へ戻ると、最近と回数を一緒に見ることで、別の候補が出てきます。表の中に、一回目の買い物を終えた人も、前に何度も選んでくれた人もいる。そこへ、今どんな情報を届けられるかな。
数字がそろったら、その問いを一行メモしてみてね。例えば布巾の使い方を知らせるなら、洗い方を確認できるページの場所も添える。リンクを開いた先で迷わず説明を見つけられるかまで、案内する前に一緒に見ておこう。お店の案内を、その人の買い物の続きとして考えていこう!
参考情報:ShopifyのRFM分析の解説、Shopifyの顧客レポートの現行ヘルプ、発行者によるEC担当者の教科書の紹介・目次。2026年10月14日確認。実顧客データの集計、配信、成果検証、書籍本文全ページの確認はしていません。