ECの商品写真は何を撮る?全体・サイズ・付属品・細部を分ける撮影準備

※本記事には広告・アフィリエイトリンクが含まれます。

商品を机に置き、スマホで一枚。明るく撮れた。背景も片づいている。ところが、商品ページに載せようとして迷います。「これで、買う人が知りたいことまで分かるかな?」

たとえば、布のポーチなら。正面の模様は見えるけれど、底の厚みは分からない。開いた内側も、ファスナーも写っていない。きれいな一枚と、選ぶために必要な写真は、必ずしも同じではありません。

まずは、全体、大きさ、実際に届くもの、選ぶときに気になる細部を、別の役割として考えてみましょう。一枚に全部を詰め込むより、何に答える写真かを決めると撮影の準備が進みます。

この記事では、小さな雑貨をスマートフォンで撮り、自社のEC商品ページへ載せる場面を想定します。商品や撮影場面は説明用の例で、実在する店舗の成果や筆者の使用体験ではありません。撮影機材の仕様と掲載条件は公式資料で確認し、売上や購入率の上昇を約束しない範囲で、写真の役割を整理します。

目次

撮る前に「写真で答える質問」を商品ごとに決める

商品撮影の基本を学ぶ『すみません 素人でも仕事の写真を上手に撮影する方法ってないですか?できればスマホで』を楽天市場で見る

カメラアプリを開く前に、商品を選ぶ人の用事を一つ考えます。形を見たいのか、置く場所に入るか知りたいのか、セットの内容を確かめたいのか。これによって、必要な角度が変わります。

ポーチを例にすると、正面は柄、斜めは厚み、開いた状態は内側、口元のアップは開閉部分を見るための候補です。同じ正面写真を五枚撮っても、内側の情報は増えません。「枚数が多い」より、「別の疑問に答えている」を先に見ます。

ここで使える準備メモは、写真の名前、答える疑問、写す範囲の三つです。「斜め/底に厚みがあるか/底と側面」「開いた状態/内側の仕切り/入口と内部」という形なら、担当が交代しても何を撮るか伝えやすくなります。

最初から全商品に同じ写真セットを強制しなくていいんです。紙のカードと陶器のカップでは、知りたいことが違います。カードなら表裏や枚数、カップなら持ち手、口元、底面など、実際に選ぶ部分へ置き換えます。写真で説明できない素材やお手入れ条件は、確認した仕様を文章で補います。

Adobeの商品写真の説明では、商品単体の写真と、使用環境を見せるライフスタイル写真を区別しています。形や色などを確認する一枚と、どこで使うかを伝える一枚。それぞれの役割を分けると、雰囲気の写真だけで商品を紹介してしまう偏りを見つけられます。

たとえば、机の上のカップに花や本を添えた写真を使う場合。暮らしの場面は伝えられても、カップの裏側や付属品までは分かりません。雰囲気を作る写真を捨てる必要はありませんが、それを仕様の説明と同じものにしないことがポイントです。

撮影の基本から整理したい人には、矢島直美著の『すみません 素人でも仕事の写真を上手に撮影する方法ってないですか?できればスマホで』が候補になります。出版社の案内では、背景紙を使う撮影、基本の撮影方法、小物を使ったスタイリングなどを扱っています。

本の紹介で分かるのは、扱う題材と構成までです。この本を使って実際に販売が増えた、とはこの記事では言えません。自分に足りないのが撮影の基本なら読書へ、商品の仕様情報なら担当者への確認へ。何を学ぶかも、写真の役割から選びます。

全体写真は、背景を飾るより商品の端と輪郭を見せる

無地の背景候補・エレコムDGA-BPBGMTを楽天市場で見る

最初の一枚は、商品が何か分かる全体写真です。机の模様や周囲の小物が目立つなら、先に商品以外を減らしてみましょう。撮影用の部屋を丸ごと作るのではなく、写真に入る範囲だけを整理します。

商品の端が画面から出ていないか、持ち手やストラップが背景へ溶け込んでいないか。スマホの画面で全体を見てから、必要な部分を拡大して確かめます。飾りを一つ足す前に、実際に売るものが一つ残らず見えているかを見ます。

白い商品を白い背景へ置くと、境目が読み取りにくい場合があります。逆に、濃い商品を黒い背景へ置いて、形が分かりにくくなる場合もあります。「白背景なら必ず正解」ではなく、輪郭が見える組み合わせを一度撮って比べてください。販売先が背景にルールを設けている場合は、その条件を優先します。

背景を用意するなら、エレコムのDGA-BPBGMTは選択肢の一つです。公式仕様は、500mm×700mmの紙製シート三枚で、ホワイト、アンティークホワイト、ブラックの組み合わせ。光の映り込みが少ないマットな質感と、仮止めシール付きという説明です。

ということは、使う前に見るのは商品が収まるか、撮影する面の広さです。小物の置き画と、背の高い花瓶の全体写真では必要な背景の範囲が違います。シートの寸法が大きく見えても、商品の横幅だけでなく、画面に映る余白や奥側まで考えます。

紙のシートなので、水や油を使う場面の道具と同じに扱うことも避けます。食品や液体を直接置くなら、その商品の扱いに合う別の準備が必要です。背景を買うことで商品や撮影場所の衛生条件まで整う、という話ではありません。

光は、商品の見え方を確かめながら選びます。窓の近くで撮る場合は、直接強い日差しが当たる場所と、光がやわらかく入る場所で、影と表面の反射を比べます。天気や時間が変わるなら、同じ背景でも仕上がりが変わることを作業メモに残します。

毎回の色や明るさを厳密にそろえる必要があるなら、管理された照明環境や専門家への依頼も候補です。自然光で一枚試す準備と、同じ条件で大量の商品を撮る運用は、分けて考えましょう。手元で対応できる範囲を越えるところまで、スマホ一台で完璧にしようとしなくて大丈夫です。

大きさを伝える写真は、同じ視点と実寸の説明を組み合わせる

スマートフォンを固定する候補・エレコムP-STSR02BKを楽天市場で見る

「手に乗るくらいです」と聞くと、大きさを想像しやすそうですよね。でも、手の大きさも撮る角度も違います。比較する物を置いた写真は目安にし、幅や高さなどの確認済みの寸法は別に伝えるのが堅実です。

たとえば、同じシリーズの小さいポーチと大きいポーチを比べるなら、並べて同じ視点から撮る方法があります。一方だけカメラに近づけると、手前のものが大きく見え、実寸の比較が読み取りにくくなります。商品を並べる位置と、撮影する位置を一度決めてみてください。

単品で撮った写真を横へ並べるときも、画像の枠に合わせて拡大した結果、小と大が同じ大きさに見える場合があります。商品ページのデザインで見た目をそろえることと、サイズを比べられることは別です。比較用の写真には、比較用の撮り方を用意します。

置き場所を示す写真なら、棚や机の寸法も、分かる範囲で説明します。ただし、写真に写った棚がどの家庭にもあるわけではありません。「この写真では置ける」を、「あなたの棚にも必ず入る」へ広げないこと。購入者が自分の置き場所を測れる情報を残すのが役目です。

複数の商品を同じ位置から撮りたい場合、スマートフォンを固定する三脚が役立つ候補になります。P-STSR02BKは、メーカーの現行説明では、三脚時の高さが約245〜740mm、ホルダーの挟み幅が約55〜88mmのモデルです。

購入前は、自分の端末とケースを含めて取り付けられるか、撮影したい高さに届くかを確認します。商品が低い机の上にある場合と、高い作業台の上にある場合では、必要なカメラ位置が違います。最大の高さだけを見て選ぶと、低い角度から撮りたい場面に合わないことがあります。

Bluetoothリモコンは付属しますが、メーカーは端末やソフトウェアによって撮影できない場合があると注意しています。また、重いスマートフォンでは安定しない場合があるため、高さを低くするよう案内しています。固定具を使ったから倒れない、と決めず、説明書に沿って安定を見てから手を離します。

この機材が真上からの撮影や、すべての構図に対応するとは限りません。上から撮る写真を予定しているなら、その姿勢で固定できる機材かを別に調べます。三脚の使用範囲を越えて、机の端へ無理に寄せたり、不安定な台を重ねたりしないようにしましょう。

細部の写真は、見たい場所を決めてピントを合わせる

スマホでの基本撮影を学ぶ矢島直美さんの商品撮影の本を楽天市場で見る

全体が写ったら、次は選ぶときに気になる部分です。ファスナーの引き手、縫い目、底、開口部など、商品ごとに「ここは近くで見たい」があります。小物を目いっぱい大きく写すことではなく、その一つが読み取れることを目標にします。

スマホを近づけたのに、かえってぼやける。そんな場合は、さらに寄って押し切るのではなく、一度少し離れて、画面でピントを見直します。接写の方法やマクロ機能の有無は端末によって違うので、自分の機種の案内に合わせます。機種が不明なまま、共通の設定値を決める必要はありません。

見たい場所へピントが合っているかは、撮った後の拡大でも確かめます。全体の雰囲気はきれいでも、説明したい縫い目がぼやけていれば、その写真は細部の案内になりません。撮り直すときは「見たい場所が写る位置」と「そこへピントが合うこと」を、順番に直します。

滋賀県の産業技術センターによる撮影解説は、商品の全体へピントを合わせる写真と、ぼけを生かした部分のイメージ写真を分けています。記事内のカメラ設定例を、そのままスマートフォンの固定値へ移すのではなく、「何を鮮明に見せる写真か」という目的を参考にします。

色にも、気を配りたいところがあります。同じ商品を撮ったはずなのに、全体写真ではベージュ、アップでは黄みが強い。複数の光が混じったり、撮る条件が変わったりすると、写真同士で違って見えることがあります。掲載する候補を並べ、実物と大きく離れていないかを見ましょう。

明るさを調整する場合も、模様や傷、材質の特徴まで消してしまわないようにします。ほこりを拭いて撮り直すことと、実物にある傷を画像で隠すことは、違う作業です。中古品や一品物なら、その個体の状態を伝える写真が特に必要になります。

「もっと良く見せたい」が先に来たときは、写真の用途へ戻ってみてください。今回は、表面の風合いを確認する一枚。ならば、質感が分からなくなるほどの加工をしない。購入者が判断する材料を残す、という基準で編集の範囲を決めます。

撮影の本を選ぶ場合も、こうした基本が必要なのか、小物を組み合わせる演出を学びたいのかを分けます。いきなり凝ったスタイリングへ進むより、今の写真で読み取れない部分を一つ直すほうが、次に調べることははっきりします。

付属品と使用例は、買ったときに届くものと混ぜない

商品と付属品を並べる無地背景シートDGA-BPBGMTを楽天市場で見る

商品と一緒に置いた小物が、セットの内容に見えてしまう。写真を整えるほど、この点は見直したいところです。ポーチへペンを入れた使用例と、ペン付きの販売セットでは、届くものが違います。

撮影前に、商品そのもの、実際の付属品、説明のための小物を、机の別の場所へ分けて置きます。撮り終えた後に記憶で区別するより、並べる段階で分けておくほうが、何を載せるか決めやすくなります。

付属品の写真では、販売する内容を確認したうえで、その一式が分かるように並べます。袋や箱も含まれるのか、写真用に用意したものなのか。担当者の手元にあるというだけで、販売内容へ含めないでください。セットの内容は、出荷する側の情報と照合します。

使用例では、実際の商品を、本来の用途の範囲で使う場面を見せます。ただし、イメージ写真の中の小物が別売りなら、文章で区別します。「写真を見れば分かるだろう」へ任せず、届く内容の案内を商品ページに残します。

BASEの撮影案内でも、使用時を想像できる写真や、商品に応じた全体・部分・梱包状態などの候補を挙げています。そこで紹介されるジャンル別の例を全部採用するのではなく、自分の商品を選ぶために必要なものへ絞りましょう。

たとえば、包装を選べる商品なら、通常包装とギフト用包装の違いが分かる写真が候補になります。一つの包装の写真だけを載せて、全注文に同じものが付くように見せないこと。追加料金や選択条件があるなら、確認した内容を文章側にも案内します。

撮り終えたら、写真の役割ごとに名前を分けます。「正面」「内側」「付属品一式」「ペンを入れた使用例」なら、何の写真か読み取れます。ファイル名へお客様の名前や注文情報を混ぜる必要はありません。商品の識別に必要な管理名と、カットの役割を短く残します。

同じ背景でそろえて撮る場合も、使用例まで全部同じ並べ方にしなくてかまいません。全体の形を見る一枚では周囲を減らし、使う場面を見る一枚では必要な物だけ添える。背景の統一より、情報の役割を優先してください。

まとめ|公開する画面で見て、足りない一枚を選び直す

位置をそろえて撮るためのスマホ用三脚P-STSR02BKを楽天市場で見る

撮影が終わったら、カメラロールの大きな表示だけで完了にしません。実際の商品ページや、商品一覧でどのように見えるかを確認します。撮った一枚と、表示された一枚の見え方が同じとは限らないからです。

掲載先の条件は、先に調べるのが近道です。たとえばBASEの商品登録の現行ヘルプは、商品画像の推奨を1280×1280pxとし、PAY IDアプリでは正方形へ自動調整されると案内しています。これはBASEの条件で、すべてのECサイトに共通する寸法ではありません。

商品一覧では端が切れていないか、主役が小さすぎないか。詳細ページでは、内側や付属品の写真が見つけられるか。写真の順序をたどって、形を知る、違いを比べる、届く内容を確かめる、という用事が進むかを見ます。

写真に写っていない情報を、無理に写真だけへ背負わせなくて大丈夫です。実寸、素材、使用上の条件などは、確認した文章と組み合わせます。サイズの写真と寸法表が矛盾していないか、付属品の写真と販売説明が一致しているか、隣り合う案内も一緒に読みます。

最初の撮影で全部そろわなければ、足りない役割を一つ選んで撮り直します。「全体は分かる。でも、入口の広さが分からない」。ならば、次は開いた状態の一枚です。背景や小物を全部やり直すことより、買う人の疑問へ一つ答えることを優先しましょう。

きれいに見せたい気持ちは、そのままでいい。そのうえで、何が届き、どういう形で、どこが選ぶ理由になるのかを見せる。写真を増やす前に、今の写真では分からない一つを探すところから、商品ページの撮影を始めてみてください。

  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

マーケティングの基本や実例を手がかりに、選ばれる仕組みを考えています。

目次